紫陽花の奇妙な風習

最終更新: 6月16日

梅雨の時期に入りました。

この時期、一斉に紫陽花(あじさい)が咲き始めます。

地方によっては紫陽花を軒先に吊るし、金運招来や魔除けのお守りにするそうです。


昔から金運招来を願い、蜂の巣を軒先へ吊るす慣わしがあったようです。

形が蜂の巣に似ていたため、紫陽花が代わりに使われたのではないかといわれています。

紫陽花は、他人の家から取ってきたものを吊るす。

愛知県蒲郡市の紫陽花、寺補陀寺(ぼだじ)周辺で行われていた風習です。

その当時の補陀寺は、今のように沢山、紫陽花はなかったそうです。

誰でも勝手に取っても良いように、住職が境内に紫陽花を植えたと言い伝えられてます。


六月の六の付く日に軒先へ吊るす。

数字に何の意味を持つのか分かりません。

盗んだ紫陽花を半紙に包み、軒先へ逆さに吊るすそうです。

その背徳行為が心願成就への道だと、何となく信じたくなるのかも知れません。

何時から誰が始めたか分かりませんが、何とも奇妙な風習です。


「 紫陽花や 昨日の誠 今日の嘘 」 


正岡子規の俳句です。

紫陽花は、青に見えたり紫に見えたり。

花は同じでも、咲く場所や時期によって色が変わります。

青でもなく紫でもない。

名前では呼べない微妙な色合いや移ろいは、何か悲しい秘密があるかのようです。


移ろい易く定まらないのは、人もまた同じです。

時間と共に移ろい、場所に合わせて移ろう。

偶然にせよ必然にせよ、それが人の弱さであり、逆にまた強さなのでしょう。

たとえ移ろうことがあろうとも、与えられた環境で生きてゆく。

真に強い人とは、そういう人を指すのかも知れません。

道脇の紫陽花を眺め、そんなことを思いました。


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