ハイパーサーミアの効果と標準治療との併用

最終更新: 6月16日

電磁波温熱療法(ハイパーサーミア)は、保険診療としての認可を得た癌の治療です。

保険診療の認可を得るためには、繰り返し行われる基礎データの解析や、治療効果の有効性について比較され、その有効性が認められるか統計調査され、また副作用について、沢山のデータから重大な副作用がないか、軽微なものを含め、どのような副作用がでるか、またその発現率はどれ位かなど、膨大な調査と厚生労働省の審査を経て、保険治療としての認可を得ています。

効果がないものは認可が得られない訳です。

その効果の理由として、いくつかのメカニズムが考えられます。



癌細胞は、その分裂や増殖のために多大なエネルギーを必要とします。

そのエネルギーは、血流を介して供給されるものです。

ところが癌の腫瘍は最初から身体にあった物ではないので、血流を豊富に供給されるために新しく血管を作らなくてはなりません。

そのため出来た手段が、癌へ血流を供給する新生血管です。

1ミリを超えるサイズの腫瘍には、100万個ほどの細胞があり、この大きさ以上になると十分な血流を確保するため、血管新生が必要だと言われています。

しかし、新生血管には、正常な血管のように血流の調整が出来ません。

電磁波温熱療法の効果は、この新生血管の性質上、環境温度による血流調整が出来ないことを利用しています。

つまり、癌の組織は加温することにより、正常組織と比べ蓄熱し易いのです。



細胞レベルの変化を考えると、高温環境下では癌細胞中のエネルギーが一気に使われるという現象を起こします。

細胞内代謝は温熱刺激に抵抗するために、生体エネルギーの供給物質であるATP(アデノシン3リン酸)が枯渇しエネルギーが一気になくなりますが、正常細胞では有酸素下ですぐにクエン酸回路が働き、エネルギーを回復します。

これに対して、癌細胞は低酸素下で生育し易い性質をもち、主に解糖系という非効率なエネルギー生産しか動かず、エネルギーの枯渇状態が長く続くため、細胞死に至り易いのではないかと考えられています。



更に、低酸素下での代謝の結果、乳酸が蓄積され、細胞内の体液が酸性化します。

そうすると、細胞膜の動きが活発になり、内外の物質の移動が盛んになります。

この時に、抗癌剤は細胞内に取り込まれやすいので、化学療法の効果を高める結果に繋がります。

これは、抗癌剤と温熱療法の併用の有効性を裏付ける理由と考えます。



しかし、電磁波温熱療法は、外科的な手術や化学療法、放射線療法など標準治療と呼ばれるものではなく、補完的な治療としての立ち位置です。

ハイパーサーミア単独での治療効果は限定的であろうと思います。

標準治療との併用により、一層効果が期待できる治療ではないかと考えます。


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